Italeri イタレリ 1/35
M4A3シャーマン
アメリカ USA

2006年ごろ購入、組立。ウェザリングまで行って「完成」したのは2015年11月。
Bought and assembled around 2006. Final painted and completed in November 2015.
2016年1月撮影。
Taken in January 2016.

 イタレリのロケットランチャー付き「カリオペ」のキットですが、ロケットランチャーを付けなかっただけです。タミヤの旧キットのほうのM4A3と比べてもモールドがダルいですが、タミヤでは省略されていたペリスコープガードが付くなど、私としてはイタレリの方が好きでした。
 車体の塗装も終わって5年以上放置されていましたが、写真のようなM4A3シャーマンの後期型(湿式)車体の場合は、車体の側面に前期型(乾式)のような側面増加装甲は付けないということを最近知り、手元の実車写真集を確認しても、やはり増加装甲を付けた後期型車体は一枚もありませんでした。後期型車体は弾薬保管庫が水を張った湿式になったのが最大の特徴で、車体自体の装甲厚やデザインも一新されました。

 80年代までは、M4やM4A3初期型などが、砲塔も含めこのM4A3(75mm)後期型と「一見似ている」ので模型業界でも混同されていました。タミヤのM4A3(75mm)旧キットでも、車体側面の増加装甲が部品として入っていて、好みで貼っても良いと書いてありました。イタレリでも同様です。
 イタレリなどでは2000年頃のプラモデル製品でも、増加装甲の有無や車体と砲塔の組み合わせが、実際には存在しないものになっていたりするので注意が必要です。金型を使い回して安易なバリエーション展開をするから間違えるのです。 シャーマン専門のアスカモデルはさすがです、このような間違いはありません、完璧です。

 そのため、貼ってしまっていた左右合わせて3カ所の増加装甲を削り取って、パテとヤスリで平坦に修正し塗装し直すという、余分な手間をかけた作品となりました。
 つまり、車体前面装甲が1枚となった後期型(湿式)車体に増加装甲を付けたものは存在しないので、私のような古いキットの刷り込みを受けてしまっているモデラーは注意が必要です。
 なお、M4A3の初期型は2016年現在、どのメーカーからも1/35では一切キット化されていません。M4無印のように操縦手・機銃手のところが出っ張った正面装甲を持っているやつです。

 ところで古いキットの刷り込みによるモデラーの勘違いといえばもう一点。
 M4A3後期型は76mm砲型が一般生産型で、写真のような75mm砲型は歩兵支援用の、いわばバリエーション車種ですが、タミヤのキットの刷り込み効果により、75mm砲型が一般的なほうだと多くのモデラーに勘違いされているようです。
 M4A1、M4A2、M4A3の後期型が生産されるにあたり75mm砲は廃止されましたが、M4A3を使用している部隊(第3軍とか。)から要望があり、M4A3のみ、75mm砲型も同時生産されたとのことです。76mm砲は装甲貫徹力は優れていましたが、その榴弾は75mm砲より劣っていたための措置だそうです。確かに戦車にとって「対戦車戦」はメインではないですよね。戦車の攻撃力を貫徹力と勘違いしている方もおられますが、貫徹力が重要なのは駆逐戦車の話です。戦車は敵陣地の粉砕とか、軽車両の撃破とか、汎用性が高いことが必須条件です。第3軍で言われていたとおり、「パンターやティーガーに会う確率がどれだけあるんだ?」ということです。それよりも陣地や建物に陣取るドイツ兵をやっつけようぜ、って感じですね。アニメや映画や華々しい伝説などではともかく、史実の戦闘全体の中で、戦車隊歩兵の戦闘に比べて、戦車対戦車の戦闘がどれだけあったんだ?って感じです。



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