戦車模型の撮影の方法; How to take a photo of a tank

 私が目指しているのは、小松崎茂氏の絵をそのまま写真にしたような迫力あるイメージです。 美しい写真よりも、多少の誇張のある迫力ある写真のほうが好きです。
 その他では、カンプグルッペジーベン諸氏、ピンクツェッペリン諸氏の初期の作風が大好きでした。 (40歳以上のモデラーにしか意味が分からないと思いますが。(笑))


I like a dynamical, strong, brave and a little exaggerated photo rather than a relaxing and a fine beautiful photo.

ジオラマベースについて; Diorama Bases


 撮影中の風景。前ページ3行3列目、JS-2スターリン戦車のものです。
 なんと、ジオラマがパーツごとの浮遊大陸になっています。
 これは、80年代の模型誌にも紹介されていたので知っている方も多いかもしれませんが、 呉光雄さんというモデラーのやり方です。呉式とでも言いましょうか?私は呉式二号1型です。(笑) お会いしたことはないですが、私が勝手に師匠と思っている方です。呉さんは、非常に生き生きとした、 また戦場の息づかいが聞こえるようなジオラマ写真を多数撮っていた方です。
Diorama bases are separated. This is not my idea. This idea is of a famous Japanese modeler in 1970'.

 情景写真は、ジオラマ(情景模型)を単に撮影したものとは違います。 ジオラマはジオラマの枠の中でレイアウトを考えれば良いですが、情景写真は、 二次元の枠の中でレイアウトを考える必要があります。そのため、ジオラマでバランスが取れたレイアウトであり、 かつ写真に撮ってもバランスが取れたレイアウトであることは、非常に希です。普通は、ジオラマを写真に撮ると、 同一地平線上にモノが並んで重なってしまって、写真の上部と下部が空いたものとなります。
 情景写真は、二次元の枠の中のレイアウトを考えて、画面の上下方向もうまく活用する必要があります。 古来の山水画では、遠景は上、近景は下に描かれています。
We have to make a leyout in two dimensions, not in three dimensions.
In many cases, a fine leyout diorama is not a fine picture as it is. You consider a good leyout in a diorama, and you also have to consider a good leyout in the picture frame. Usually, a good leyout in three dimensions and a good leyout in two dimensions are not compatible.
Therefore, in order to make a good leyout in two dimensions, I separated diorama bases.
When we take a photo of a diorama, usually, a tank and figures stand in a horizonal line, and an upper area and a lower area of the picture frame are vacant.
In east Asian traditional painting, distant items are often placed at an upper area in the canvas.
We have to use a whole of a picture frame effectively.

 呉さんは情景写真と情景模型の両立が不可だと結論づけて、ジオラマを3分割することを提唱されました。 近景、中景、遠景です。もちろん、地面の石ころや草木も、遠景にいくほど小さいものを使います。 そしてカメラを覗きながら、3つの小ジオラマ(近景、中景、遠景)の距離、高低、角度、傾きなどを調整し、 ファインダーの中で有機的に結合させて撮影するのです。
Basically, three diorama bases are necessary. A near base, a middle base and a far base.
Through the finder, I move three bases to upper or to lower or to left or to right or inclination in two dimensions.
The three bases unite in the finder.

 特に、人形や木のレイアウトは大切です。できるだけ重なってしまわないようにとか、 車両の近くの最も効果的な位置にいてほしいとか、ファインダーを覗きながら、空いてしまった空間を埋めるように、 とか。
 そのため、地面は石膏など堅いものを使ってはいけません。 私は発泡スチロールに情景パウダーやコルク片を木工ボンドで固定し、エアブラシで色を塗っているだけです。
 人形や木は足にピンバイスで穴を開け、虫ピンを刺して固定します。 これなら、ファインダーを覗きながら、自由に思った位置に移動させられます。
Not only diorama bases, but also figures and trees we have to move for a good leyout in two dimensions.
Especially, we have to avoid to overlap figures each other. And it is very important that figures are at the most effective position in the picture frame.
Through the finder, I move figures and trees to upper or to lower or to left or to right or inclination in two dimensions.
Therefore, I attach an insect pin to the sole of a figure or a tree. And I make a diorama base of a styrene foam, scenery powders and cork grains. And I paint them by airbrush.
Clay and plaster are not used. Because the pin doesn't stick into them.

 木の根もとや、戦車の履帯周りなど、ファインダーを覗いたとき地面から浮き上がっているように見えてしまう場合は、 ウーロン茶などのお茶の葉を適当に蒔いておけばOK。 ウーロン茶は不思議なモノで、蒔いたのを上から見ると違和感アリアリですが、 ファインダー目線だと、地面がそれらしくゴチャゴチャになってくれるのだ。
At the base of a tree or around tracks of a tank, I scatter dried leaves of oolong tea made of Fujian of China.
When you look this set from the upper, it looks like very funny. But when you look it from a horizonal level, it looks like a real scene. Wonderful!

日本の家は狭くて、大きなジオラマベースを作ると保管に困るという問題もありますからね。
And we Japanese don't live in a large house. We are suffering from a problem of storage. It is impossible that we have a lot of large diorama bases.


背景について; Backgrounds


 背景は私の場合は、トレーシングペーパーを多用しています。
 黒煙は、エアブラシで描いているだけです。爆発の飛び散った土は、 塗料を薄めて筆に含ませて、指でピンピンはじいたものです。これらは70〜80年代の古典的なやり方です。
 撮影時には、裏側にも電球を置いて、空が光った感じや、爆発が光った感じを演出しています。
I usually use an A3 size photo as a background. But in this picture, a tracing paper is used.
For painting an explosion, I flicked a painting blush on the paper.
Black smoke is painted by airblush.
If you put a lamp behind of the tracing paper, you can express a flash of an explosion.


煙について; Smoke


煙は、ソフトで上手く描ける技術がないので、脱脂綿をラジオペンチで挟んで、レンズの前で揺らして煙に見立てています。
シャッター速度が長いので、線香や煙草の煙は写りません。
と言うか、嫌煙家なので煙草は嫌いです。

I don't have a skill to paint good smoke. So I shake cotton by a needle nose plier (radio plier) in front of the camera.

カメラについて; Camera


 ズームをするとピントが甘くなるので、レンズは35-50mmくらいのものがいいですね。18mm-とか24mm-とかだと、35mmへはズームせざるを得ませんが、ズームするとどうしても写真のクリア度は下がります。18mmとかの広角な写真は、プラモデルの写真としてはちょっとクセがありすぎになります。
 2019年現在、私はデジタル一眼の入門機:Canon EOS Kiss Digital X(2006年の製品)をしつこく使っています。そろそろ買い換えたいですが、そんなに不自由はしてないので、壊れるまで使うかもしれません。

 私の場合は、限りなく被写界深度を取りたいため、いつも絞りは最小、F29にしています。F18とかF24とか、数字の大きい方です。そのため、絞り優先の撮影モードがないカメラは、模型撮影には困難でしょう。
 機種によっては、絞りはかなり絞れるんですが、シャッター速度を1秒以上にするのは不可能なものがあります。ジオラマ写真にはやはり向かないです。通常、絞ったらその分、シャッター速度は長くなります。数秒から数十秒にしないと、露出アンダーで真っ暗です。

 なお、ジオラマ模型以外の普通の写真は、ボケをうまく使って撮るのが主流です。つまり、メインの被写体以外はボカすのです。写真の枠内すべてにピントが合っているなんて、問題外だとされています。つまり、ジオラマ撮影と正反対の撮影方法です。写真撮影がうまくなりたいと思ってググっても、ボケのやりかたばかり解説されていて、モデラーには全く使えないウェブサイトばかりで閉口モノです。

I use a camera Canon EOS Kiss Digital X. (product in 2006)
This is not so expensive. We don't have to use an expensive camera.
But when we take a photo of a small thing, we want to make a depth of field deeper as much as possible.
This is for examples, F18 or F24 or F29. The bigger, the better.
I usually take a photo in F24 - F29.
The shutter speed is around 2 seconds - 8 seconds. This is long.

The camera that cannot set a diaphragm over F20 and a shutter speed over 1 second is very difficult to take a photo of model tanks.


結論; Conclusion


 以上、要するに、情景写真はごまかしがきくので、安い材料で十分ということです。 70〜80年代モデラーは、身の回りのものの創意工夫でなんでもできたのです。
 ジオラマベースにお金やスペースをかけずに、模型をどんどん買ってサクサク作って、 面白いジオラマ写真をパシャパシャ撮りまくりましょう。

 最後になりましたが、これはジオラマですよ、ジオラマ。ディオラマでもOKですが、 決して「ダイオラマ」じゃないです。80年代モデラーに「ダイオラマ」なんて言葉は禁句です!

To take a photo of model tanks, expensive items are not necessary!


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