第二次大戦中のソ連軍　NKVDの制服、階級章、兵科色　１９４０年１１月式 Soviet NKVD Branch Rank Colors 1940

第二次大戦中のソ連軍　NKVDの制服、階級章、兵科色　１９４０年１１月式
Введены приказом НКВД № 1038 от 18 ноября 1940 года
1940年11月18日　内務令1038号

　赤軍の1940年11月2日付け軍令391号に呼応して、NKVDも下士官階級が変わりました。なお、赤軍と違い、下士官階級章の縁の三角の金ボタンはつかないのが正式と解説している資料もあります。

　この後1943年2月18日付け内務令126号まで、服制に関する内務令はありませんので、ここにあげた状態のまま独ソ戦に突入しましたが、実際には赤軍の1941年2月1日付け軍令005号に対応してグレーや濃紺の制服やフレンチが使われなくなり、1941年8月1日付け軍令253号に対応してカーキ色の地味な制服・階級章も使われました。カーキ色の階級章を使用した場合、赤軍とNKVD軍の見分けはつきませんでした。（NKVD各軍も赤軍と肩を並べて最前線で戦闘していました。）

　なお、保安本部（秘密警察）については、この後1941年2月3日のソ連最高会議幹部会決定によりNKVDから分離してNKGBの所属になりました。しかし1941年7月20日、再びNKVDに統合されました。組織改正があったものの、服制・階級については、1943年までここにあげたとおりです。

＜注意事項＞
　黄色は金色です。Yellow in this picture is Gold.
　兵科色がよくわかるように、パイピングなどが太めにデフォルメされています。

НКВД　内務人民委員部　国内軍 Внутренние Войска　兵科色は濃赤（マルーン）と青　服のパイピングはラズベリー色 Maroon, Blue, Raspberry

　フラーシカ（制帽）のパイピングはラズベリー色です。また、赤軍と違い、戦車兵・航空兵用のグレーや濃紺のフラーシカはありません。
　ピロートカの星は布製で、フラーシカのハチマキと同じ色です。赤軍のように金属の星章はつけないのが正式ですが、つけている例もあります。
＜士官 Officer＞

　　フレンチ（常勤服）短袴　　　フレンチ（常勤服）長袴　　ｷﾞﾑﾅｽﾁｮﾙｶ（常勤・野戦服）
　　　　　　Service　　　　　　　　　　　　Service　　　　　　　　　Service/Field

戦車・輸送士官　Tank & Transport Officer

　　フレンチ（常勤服）短袴　　　フレンチ（常勤服）長袴　　ｷﾞﾑﾅｽﾁｮﾙｶ（常勤・野戦服）
　　　　　　Service　　　　　　　　　　　　Service　　　　　　　　　Service/Field

航空士官　Air Crew Officer

　　フレンチ（常勤服）短袴　　　フレンチ（常勤服）長袴　　ｷﾞﾑﾅｽﾁｮﾙｶ（常勤・野戦服）
　　　　　　Service　　　　　　　　　　　　Service　　　　　　　　　Service/Field

（上段：襟章、中段：コート用襟章、下段：袖章　士官には必ず袖章がつくので注意！）

　大佐　　　　　　　中佐　　　　　　少佐　　　　　　大尉　　　　　上級中尉　　　　中尉　　　　　　少尉
　

＜下士官・兵　NCO & private＞
　多くの下士官は、実際は士官同様にパイピングの入ったギムナスチョルカとピロートカを着用していました。
In fact, many NCOs wore a gimnastyorka and a pilotka with pipings as same as officers one.