模型製作の基本

 最近は80年代と違い、初心者向けの本や雑誌が少ないようなので、基本的なプラモデルの作り方をまとめてみました。


キットの洗浄


 キットを開封したら、まずパーツを洗浄し、成形時の金型からの離型剤の油を落とすことが必要です。

。。。と言われていますが、私はほとんどやっていません。面倒くさいからです。それに開封時に油が気になるキットの場合、中性洗剤でスポンジで洗っても、浸け置きしても、油が取れた感じがしません。相変わらずヌメヌメしているのです。それに、念入りに洗ったはずなのに、やっぱり塗料がはじかれるなんてことも多々ありました。結局、洗ってもムダみたいだからやめよう、と思ったわけです。

切り取り


道具

 私が小学生の頃は、プラモデルは90%以上の男子小学生がたしなむ趣味(というより遊び)でしたが、ニッパーなどという高価なものが各家庭にあるわけではなかったため、爪切りで切り離している子もいました。しかし現代ではニッパーも手に入りやすいので、必須工具でしょう。

●ニッパー

 今後もプラモデルをいくつか作るつもりなら、ニッパーくらいはちゃんとしたメーカー品を買っておいたほうがいいです。バネはすぐ切れてしまいますが、なくてもあまり不自由しません。

●カッターナイフ、デザインナイフ

 カッターナイフは普通の事務用を使っています。デザインナイフは刃が細いため、カッターナイフの刃が入らないような所でも入ったりするので、あると非常に便利です。タミヤのものは大小あるので注意してください。間違った替え刃を買ったため、大の軸に小の刃を無理矢理つけています。
 デザインナイフは机の上から転がり落ちて足の甲に刺さるように、軸が丸棒状に設計されています。私も一度刺さりました。ネットによると、よくあることだそうです。転がらないように、各自工夫する必要があります。
 なおこの場合、あなたがドイツ軍の場合は、ケガの程度によりますが、申請すれば「戦傷者章」がもらえるかもしれません。


●紙ヤスリ

 私は戦車、飛行機、軍艦、ガンプラを作るときは、紙ヤスリは400番までしか使いません。カーモデルは1000番、2000番も使ったほうがいいです。「番」というのは目の粗さの等級です。2000番ともなると、ほとんど削れないくらいの目の細かいものです。
 普通、雑誌では最低でも800番くらいまで使うよう書かれていますが、私は面倒くさいので400番までです。というのは、黒立ち上げ塗りの場合は塗装後も塗装面が多少荒れるため、400番くらいをやっておけばキズは多少残りますが、まあ十分だと思っているからです。気になる人は800番とかかけましょう。
 一番右のスポンジヤスリは、飛行機の胴体の合わせ目消しなど、大きくて丸いものをヤスリがけするときに非常に便利ですが、なくても全くさしつかえありません。高いですし。

●金属ヤスリ

 左は100均のダイヤモンドヤスリです。右は模型店で入手できる、精密ヤスリです。断面が菱形になっている、目の非常に細かいモノです。あるとすごく便利です。表面を非常に平滑に仕上げることができます。また、手は切れませんがエッジが鋭いので、スジ彫りをするときに非常に重宝します。写真にある1/144HGUCゾック(通常カラー)のスジ彫りは、全部コレでやりました。

●レザーソーとピンバイス

 レザーソーは模型用のノコギリです。普通は不要です。改造するときにしか使いません。私はガンプラやダグラムの旧キットの腰アーマーを切り離すときに使用しています。(組み立て後ではなく、組み立て前に切り離すこと。組み立て後では、ノコギリの刃を入れることができません。)
 ピンバイスはドリルです。機関銃やビームライフルの先などを開口してやることができるので、あると非常に役立ちます。

切り離し

 ランナーから切り離す際は、面倒ですが一度手前で切り離してから、再度ニッパーを入れるようにすると、変にえぐれたりしません。



 アンテナのような細い部品は、最初に@にニッパーを入れ、次にABCの順で切ります。順番を逆にすると折れます。


 パーツを切り離した後は、跡をカッターナイフで整えます。

次に、紙ヤスリなどで軽くヤスって跡を完全に消しておきます。



接着


 接着にはプラモデル用接着剤を使います。基本的には普通タイプのものがあればOKですが、流し込みタイプのものがあれば更に便利です。
 部品を接着する際は、接着面の両方の部品に接着剤を付けるのが原則です。片方だけだと、接着が甘くなる場合もあります。接着したら、よく押しつけて、接着が確実になるようにします。

 クレオスでもタミヤでも良いです。
 私事ですが、クレオスの背の高いキャップは、私はよく手で引っ掛けてしまいます。一度ひっかけて机の上で倒してぶちまけたことがあります。

 80年代までは、特に子ども向けのキットには接着剤が付属していることが標準でした。しかし使いにくくてベトベトになるため、私は当時からビン入りのを使っていました。ほぼセメダイン社の独占でしたので、子どもにはプラモデル用接着剤が全般的に「セメダイン」と俗称されていました。

モナカパーツの合わせ目処理

 伝統的には、モナカパーツの両側の接着面にたっぷりと接着剤を塗り、合わせ押しつけて接着し、はみ出た部分をカッターやヤスリで削って合わせ目を消す方法が取られます。

 しかし、接着剤を多く塗ると乾きが非常に遅くなります。雑誌やブログでは1日か2日など待ってからヤスリをかけると言われていますが、私の経験では、1週間はかかると思います。そのうえ、接合部分が柔らかくなっているのか、乾きが完全でなかったのか、ヤスリをかけても接合線がうっすら凹んでいたりして、どうもうまくいきません。

 結局2012年からは、私はモナカパーツの接着には瞬間接着剤を使っています。瞬間接着剤なら1日経たずに合わせ目消しができるうえ、接着剤が凹んでヒケて合わせ目がうっすら出てしまったりするようなことはありません。


 ただし、プラモデル用接着剤と違い、パーツを溶着するわけではないため、力が加わると弱いです。力がかかるとスパンっと見事に接着面が真っ二つに剥がれ割れます。特にガンプラの手足のように、完成してから動かすようなものは、動かすときには注意が必要です。


 ヤスリをかけた後、瞬間接着剤の量が不十分で合わせ目の溝がまだ残っていた場合は、上から再度瞬間接着剤を塗布しますが、その不十分な合わせ目を、一度カッターナイフで軽く掘って、溝を広げておくと良いです。そのままだと、削りカスが残っていたり、瞬間接着剤が古くて粘度が高くなってしまいっている場合、合わせ目の溝にうまく接着剤が流れ入ってくれません。(上から瞬間接着剤を塗って、乾かして、ヤスリをかけたら合わせ目が全くそのまま残っていた、という失敗を何回かやりました。orz)
 また、瞬間接着剤は塗布後、広がって拡散してしまいますので、それを防ぐために、伸ばしランナーやプラの削りカスなどを入れておくと、溝から拡散しないです。



 大きな隙間などは、パテを使います。

パテの種類

プラパテ

 一番安いパテです。クレオスのものもありますが、小学生の頃からタミヤのパテに慣れているので、一度クレオスを買ってみたら非常に使いにくかったです。両者、ちょっとクセが違います。
 乾くと体積が減って凹むので、多めに盛っておく必要があります。

 しかし中まで空気が通らないくらいに厚塗りすると、1年経っても半熟卵のような状態となってしまいます。そういう場合は、そもそもプラパテでなくポリパテを使わねばなりません。
 パテをつける前に、モデルの表面を240番か400番くらいの紙ヤスリでヤスって表面を荒らしておきます。そうしないと、せっかく乾いたパテがモデルからポロッと剥がれ落ちてしまいます。

ポリパテ

 主剤と硬化剤を混合するタイプのパテ。表面がツルツルの厚紙などに爪楊枝で出して混ぜ合わせてからモデルにつけます。面倒くさいですが、非常に使い道が広いです。乾いても凹まないです。
 こちらも、モデルの表面をヤスリで荒らしておかないと、ポロッと剥がれ落ちます。

エポキシパテ

 主剤と硬化剤を混合するタイプのパテで、固体の粘土のようなタイプです。大改造をするときに使うタイプなので、プラモデルをストレートに組み立てるだけなら使わないモノです。
 私は戦車モデルの1/35フィギュアのポーズ改造によく使っています。なおエポキシパテは、クレオスやガイアの薄め液(油性塗料用シンナー)を筆に付けて、まだ固まっていないパテの上をなぞると、表面が少し溶けて滑らかになり周りによく馴染むので、フィギュアの改造に便利です。筆はもちろん塗装用のものとは別に、パテ専用に用意しておいてください。

 なお、プラバンの切れ端と瞬間接着剤で隙間を埋める荒技もあります。プラバンの切れ端を突っ込み、瞬間接着剤で固めます。固まったら、ヤスリをかければOKです。荒技ですが、乾燥時間も少なく一番使い勝手が良い方法です。


塗装前処理


 モデルが組み立て終わったら、普通の人は、サーフェイサーをスプレーしますが、私は使いません。ただし、カーモデルは使ったほうがいいです。(私はカーモデルを滅多に作らないので、必然的に使わないと言っているだけです。)
 サーフェイサーはパテを薄めたものです。私が使わないのは、以下の理由です。
@細かいモールドが埋まってしまう。
Aスプレー缶で、粒子も大きいため、周囲に広く飛び散る。(空中のホコリと結合して周囲に漂う。)
Bそのため普通のスプレーよりもさらに健康(肺)に悪そう。

 塗装の色ムラを防ぐために使う方もいるようですが、黒立ち上げの場合は最初に真っ黒に塗りつぶすので、そういう心配は皆無です。

 そういうわけで、私の場合は、完成したらそのまま塗装ですが、可動するモデルの場合は気をつけるところがあります。
 戦車や飛行機、軍艦は可動といってもあまり気にしないで良いですが、ガンプラなどは注意が必要です。特に注意するのは太もも部分です。腰のアーマーと擦れることが多いため、太ももの塗装が剥がれやすいのです。

 そのため塗装前に、このような塗装が剥がれやすいと思われる部分は、ヤスリをかけて表面を荒らしておく必要があります。つまり、塗料の食いつきを良くしておくのです。私は400番のヤスリをかけています。

 ちなみに、海外のキットで離型剤の油がギトギトのものも、油が落ちにくい場合はヤスリをかけておけば塗料が乗るようになります。(表面を削ってしまうので、あたりまえですね。)

塗装


エアブラシ塗装

 私は塗装はエアブラシです。少年時代は筆塗りでしたが1988年、タミヤのスプレーワーク(初代)が発売されたのを期に、エアブラシ生活が始まりました。それまでエアブラシはモデラーにとっては高嶺の花でしたが、タミヤのこの製品のおかげで、誰にでも手軽にエアブラシが使える時代が到来したのです。
 その後、タミヤのREVOが発売され2000年ごろから長らく使っていましたが、クレオスのほうがもっと音が小さいという口コミだったため、2012年ごろに買い換えました。確かにタミヤのREVOより音が小さいです。音に関しては、家族の苦情がなくなりました。(笑)

 タミヤから乗り換えたという経緯のため、規格の合わないチューブを無理矢理接続しています。「本格的」モデラーでないため、エアーレギュレーターとかは未装備です。そのため湿度の高い日が続くと、使っているうちにチューブに水が発生して噴射口から塗料と同時に水が噴き出すので、注意が必要です。

黒立ち上げ塗り(MAX塗り)

 最初に黒、もしくは濃い茶色やグレーなどで全体をスプレーし、その後、口径の小さなエアブラシで目的の色をチマチマ吹いていく塗装です。写真は脚部は塗装完了、胴体をチマチマ塗装中の場面です。
 マックスファクトリーのMAX渡辺氏が普及させた技法なのでMAX塗りとも言うようです。90年代に流行った技法ですが、戦車モデルでは廃りました。ガンプラでは2010年代でもよく使われます。私は2000年頃から戦車はこの塗り方になりましたが、2012年以降は戦車はもちろん、戦艦、ガンプラもすべてこの塗り方です。

 ディテールの凹線を残すように吹きますが、凸線やエッジ部分も黒っぽさが残るように注意して吹きます。
 あまり神経質に「ディテール部分を黒っぽく残す」と意識し過ぎると、かえって不自然になり「いかにも模型」という感じになってしまうので、ほどほどで良いです。
 私の場合は、下地はすべてフラットブラックを使っています。黒だとキツくなりすぎるため、目的の色に合わせ、濃い茶色や濃いグレーなどを臨機応変に使うことが推奨されていますが、種々の色を用意するのが面倒くさい私は白いガンダムのときも、バカの一つ覚えで黒一色です。

 エアブラシの口径は
●0.3mm口径:1/35戦車
●スーパーファイン(0.2mm):1/48戦車、1/72戦車、1/100ガンプラ、1/144ガンプラ
 などと使い分けています。基本はスーパーファインですが、1/35のようなスケールの大きなものは、スーパーファインでやると逆にディテールがごちゃごちゃ目立ちすぎてしまうんですよね。なので0.3mm口径のほうで、細かいディテールに神経質にならずに吹くほうが自然な感じに仕上がります。

0.3mm口径

 タミヤの初代スプレーワークには口径が大小2種類付属していました。使っているのは小のほうです。小といってもそんなに小さいわけではありません。2015年現在バラ売りされている「スプレーワークベーシックエアーブラシ 74531」と同一のものです。
 1/35の戦車と1/350戦艦は、すべてコレで塗装しています。もっと高級なエアブラシを使っていると思いましたでしょうか?

スーパーファイン(0.2mm)

 2本常備しています。通常色用とメタリック系色用です。分けないと、機器内部に残ってしまいがちなメタリックの粒子が、通常色を吹いているときに出てきてしまうからです。ところで、私のエアブラシは後部のバラスト部分をいずれも取り外してありますが、洗浄などのメンテナンスがこまめに必要なため、面倒くさいので最初から取り外したまま使ってるのです。
 2015年現在の商品名で言うと「HG Sファインエアブラシ 74514」です。

 黒立ち上げ塗りで迷彩をしたい場合は、コチラコチラをご覧ください。マスキングテープを使う方法もそれらと同じ要領です。練り消しがマスキングテープになるだけです。
 ただし、迷彩塗装は非常に面倒くさいし、気合いが要ります。

 ダグラムモデルのように、シルバーなどメタリック色をマスキングする場合は、必ずガイアカラーを使ってください。

 クレオスのは定着力が弱く、上からマスキングテープを貼ると、はがすときに塗料が必ずベリッと剥がれます。ガイアはほとんど剥がれません。基本的には、メタリック色の上にマスキングテープを貼ることは極力避けたほうがいいですが、そうはいかない場面も多々ありますよね。

 ところで、最初にモデル全体に吹くフラットブラックはガイアカラーを使っています。クレオスより隠蔽力が高いからです。つまり、クレオスなら3回くらい重ね塗りしないと真っ黒にならない場合でも、ガイアなら2回くらいで済むからです。いずれにしても、1回エアブラシをすれば真っ黒になってくれるほどお手軽にはいかないので、数回の重ね塗りが必要です。それに足回り、転輪とキャタピラの隙間など奥まったところをエアブラシで黒く塗りつぶすのは、非常に手間ヒマがかかります。と言うかホントに奥まった部分は、エアブラシでは塗れません。エアブラシは万能ではありません。しかし完成後、普通に置いて眺めるようなときに見えないような部分は、潔くあきらめて塗り残しに目をつぶったほうが精神衛生上良いです。親の敵(かたき)でもあるまいし、ひっくり返して強い光をあてて覗き込まなければ見えない部分は、塗り残ってしまってもいいじゃないですか。

筆塗り

 戦車のキャタピラや転輪のゴム部は、私は別途塗装はしません。黒立ち上げ塗りでおおまかに塗り残して良しとしています。紹介している写真の戦車は、2000年以降の完成品はすべてそうしています。なので転輪の多い四号戦車もどんどん完成できます。筆塗りでゴム部を塗るなんて面倒くさすぎます!ダークイエローやパンツァーグレーが多少かぶってしまっても、ウェザリングの一種と位置づければそれまで、と思ってます。連合軍の戦車のようにグリーン系の場合は、グリーンの土ボコリなんてさすがにないので、スーパーファインエアブラシでフラットブラックをレタッチしています。もともと黒立ち上げ塗りなので、転輪ゴム部の境界をキッチリ塗り分ける必要がありません。ラクです。
 ジープのスペアタイヤなど、どうしても筆塗りでキッチリ塗り分ける必要がある場合は、エナメル塗料の黒を溶剤で薄めて塗っています。
 エナメル塗料なら、はみ出した部分はエナメル用薄め液を含ませた綿棒などで落とすことができます。エナメルシンナーは油性アクリル塗料を侵さないからです。詳しくは後述。

 そんな感じで「アバウトに」塗り分けているので、戦車の場合、雑誌で紹介されているような、足回りを取り外し式にして別途細かく塗装できるようにするとか、キャタピラを塗装後に取り付けるとかいう、面倒くさくて強度も下がるような組み方はしていません。戦車の場合は、基本的にすべて完成、転輪やキャタピラもカッチリ強固に接着してから、初めて塗装に入ります。車体に装備されているスコップや「バールのようなもの」も接着済みで、車体の塗装後にエナメル塗料でチョビチョビと塗っています。

 筆塗りのときは、薄め液で少し薄めにしたほうが流れやすく塗りやすくなります。ビンから直接塗るという無精はでずに、塗る度に塗料皿に塗料と薄め液を数滴ずつ出してチマチマ薄めながら塗るのが、うまく塗るコツです。


塗料の種類

●油性アクリル塗料

 ガイアカラーとクレオスの油性は互換性があるので、塗料も薄め液も両社混合して使っても全く問題はありません。
 ガイアではT-01は通常の薄め液、T-06はエアブラシ用のものです。エアブラシ用のものは通常より乾燥が遅くしてあるため、モデルに吹きつけ後に時間かけて馴染み平滑になりやすい、とされていますが、正直そんなに違いが分かりません。それにカーモデルのようなツヤあり塗装の場合は違いが出ると思いますが、戦車など半光沢やツヤ消しなどの場合は、どちらでもいいんじゃないかと思っています。私は惰性でいつもエアブラシ用を使っています。筆塗りの場合もコレを使っています。要するに、両方買うと面倒くさいし場所も取るので、私はべつに使い分けていません。アバウトモデラーですから。クレオスでも同様に、通常の薄め液とエアブラシ用があります。

●水性アクリル塗料

 水性塗料は、油性塗料よりも粒子が荒いので、本来エアブラシには向きません。厚塗りになってしまい乾きも非常に遅いので、敬遠しています。
 家族の苦情がある場合は、臭いの少ない水性塗料を使わざるを得ないでしょうね。
 写真にはクレオスの水性塗料が写っていませんが、単に持っていないだけで深い意味はありません。
 水性塗料を使う際は、水性塗料専用の薄め液を使います。水で薄めてはいけません。筆が水洗いできる、という意味の「水性」塗料です。

●エナメル塗料

 エナメル塗料は専用のエナメル溶剤で薄めます。ホームセンターの「ペイント薄め液」や画材用のペトロール、ターペンタイン(テレピン)も使えます。私は20年ほど前に買った「ペイント薄め液」をいまだに使っています。戦車モデルの車載工具類にしか使わないので、塗料も薄め液もあまり減りません。タミヤの溶剤は最近買っていないので、写真にありません。

 ホームセンターに「ペイント薄め液」と一緒に並んでいる「ラッカー薄め液」のほうは強力なラッカー溶剤で、プラスチックを溶かすので、使ってはいけません。

 私は筆洗いとエアブラシの掃除のみに使っていますが、においがキツイので、有害成分が多いと思われます。

塗料の混合と重ね塗り

●塗料の呼び名
 ちなみに、ガイアカラーとクレオス油性は同じ系統の塗料で、油性アクリルとかラッカー系などと呼ばれますが、水性塗料とエナメル塗料は全く違う系統の塗料なので、それぞれを混ぜ合わせてはいけません。サンポールとキッチンハイターを混ぜたときのように有毒ガスは発生しませんが、塗料が固まってしまいます。
 しかし言葉の使い方が難しいですね。「アクリル」と言った場合、人によっては水性塗料のみを指して言う場合もありますが、油性ラッカーだってアクリル塗料です。逆に水性塗料だってアクリルラッカーには違いありません。
 また、本物の自動車用の塗料(スプレー)は、強力なシンナー分を含んでおりプラスチックを侵すので使ってはいけません。カーモデルを作ったとき、本物の色を使えばいいじゃん、と思って試したら悲惨な結果に。。。

 とりあえずこのサイトでは、クレオスの油性とガイアカラーを油性アクリルと呼び、タミヤの水性とクレオスの水性を「水性塗料」と呼ぶことにします。

●重ね塗りできる順番、できない順番
 筆塗りで重ね塗りするときは、
 油性アクリル、の上に水性塗料、の上にエナメル塗料
または
 油性アクリル、の上にエナメル塗料
という順番しか重ね塗りできません。(もちろん乾いてから次を塗ること。)

 水性塗料やエナメル塗料の上に油性アクリル塗料の筆を走らせると、溶けてぐじゃぐじゃになります。

 油性アクリルの上に油性アクリルなど、同種の塗料は重ね塗りできますが、手早く筆塗りしなければなりません。ゆっくりしていると、上塗りした塗料のシンナー分が下塗りの塗装を侵し始めます。

エマルジョンカラー

 残念ながら、グンゼの水性エマルジョン塗料はまだ試していません。
 70年代に小学生でプラモデルを作った人なら、ホッペとかレペには大変お世話になったと思います。私もその一人です。小学生には、臭いのない水性系の塗料は重宝しましたね。しかし薄いビニール膜のような、もったい仕上がりでしたよね。

クリヤーとフラットベース

 プラモデルの塗装を始めた小学生のとき、不思議に思ったのが「クリヤー」と「フラットベース」。
 慣れた人にとってはあたりまえですが、シロウト小学生にとってはどういう使い方をするのかよく分かりませんでした。

 塗料には「光沢」「半光沢」「つや消し」の3種類があります。

 ラベルに表示がありますが、タミヤの場合は、Fのついた番号のほうが全部ツヤ消しです。


 クリヤーは、「半光沢」や「つや消し」で塗った後、ツヤを出したい部分に上塗りで塗って、ツヤを出すためのものです。「半光沢」や「つや消し」塗料に混ぜるためのものでは ありません。混ぜてはいけません、色が薄まって、隠蔽力がなくなるだけです。

 一方、フラットベースは逆に、筆塗りしてはいけません。ビンのラベルに書いてありますがこれは塗料ではなく、「光沢」や「半光沢」の塗料に混ぜて、ツヤを消すための「添加剤」です。正体は、粒子の細かい白い粉です。「光沢」をつや消しにするには30%、「光沢」を「半光沢」にするには10%混ぜろと言われています。しかし結構難しく、混ぜるのが少ないとツヤが思ったようには消えないし、混ぜすぎると、乾いた後で白っぽくなります。少量を混ぜて様子を見つつ、濃度を調整してください。

 上塗りでツヤを消したい場合は、「フラットクリヤー」を使います。
 スプレーでも「フラットクリヤー」はあり、多くの素組みガンプラモデラーが使用しています。
 スプレー使用には結構コツが必要で、近づけすぎると塗料がタレますし、湿度の高い日にスプレーすると、乾いた後に白く濁ってしまいます。
 10年ほど前に買っていろいろ試した結果、私は使わないことにしています。仕上がりが自分のイメージとちょっと違うかな、と思うからです。

 なお、上塗りでツヤ消しではなく半ツヤ(半光沢)にしたいときは、セミグロスクリヤーを塗ります。

デカール、マーキング


 デカールは水に浸して使う、薄いシールです。慣れないと苦労しますが、慣れても油断すると破損してしまいます。しかし大丈夫です。80年代初期のダグラムブーム全盛のころでも、小学生がデカール貼りするのは標準的な作業でした。

 デカールは印字フチの透明部分も可能な限り切り取っておくのが良いことは言うまでもありません。ただし面倒くさいし、破損可能性も高くなるので、自分の技量に合ったところで妥協しましょう。
 私はドイツ軍のバルカンクロイツはその形にすべて切り取っています。黒い部分を抜いた十字は、白いL型を4つに切り抜いています。非常に面倒くさいです。アメリカ戦車の白丸に☆も面倒くさいです。○と☆の間の5つの余白部分をすべて切り取っています。写真のものは○に切れ込みのあるイタリア戦線タイプのものなので、切抜きが少しラクです。


 デカールは各社でかなりのクセがあり、ちょっと水に浸せば数秒で剥がせるものから、数分浸けないと剥がせないモノもあります。「最初の1枚」を貼るときに特徴をつかんでください。
 古いデカールで水に浸けても台紙からとれない場合は、熱湯に浸してください。無理に台紙から剥がそうと指で動かしたりすると破損しますが、熱湯なら40年前のデカールでも結構ラクに浮いてきます。
 また冬場は、新しいデカールでもお湯のほうが使いやすいです。熱湯までは必要ありませんが。

 戦車モデルのように基本塗装がつや消しの場合は、塗装面がザラザラであるため密着度が低いので、モデル表面から結構浮いてしまいます。
 そのためデカールの余白透明部分が浮いて乾いて白くなったりする(シルバリングといいます。)ので、軟化剤を使います。

 私はクレオスのマークセッターを使っています。以前はマークソフターを使っていましたが、威力不足でした。マークセッターを塗布し、デカールを貼ります。質のいいデカールなら、これだけでOKです。下手に押さえたりすると指やピンセットの先にくっついて破れたりします。ひどいときは指やピンセットの先に張り付いて、引っ張ったらクシャクシャに丸まって修復不可能になるときも多いです。そのため、軟化剤を使ったら、余分な液体や空気を押し出したりせずに、そのまま放置するのが良いです。ただし液面に浮いて位置がずれるのには注意してください。液が多すぎの場合は、ティッシュの切れ端などで慎重に吸い取ります。
 なお、タミヤの軟化剤は強力などと銘打ってありますが、あまり強くありませんでした。クレオスのマークソフター並みでしかありませんでした。

 完全に乾いたら、はみ出て乾いた糊成分がテカりますので、濡らした布、次に湿った指先で慎重に拭き取ります。
 拭き取っても完全にはキレイにならない場合が多いですが、適当なところで妥協しましょう。多少塗料を侵すようなので、無理なものは無理なのです。ゴシゴシやりすぎると、デカールが破損します。「過ぎたるは及ばざるが如し。」この名言は、模型作りの根本精神です。


 空気が入ったり白く浮いた部分(シルバリング)があったら、乾燥後にその部分にデザインナイフで切れ込みなどを軽く入れ、上からマークセッターを塗布します。
 これも、デカールの質によってはどうにもならないものもあります。「過ぎたるは及ばざるが如し。」です。適当なところであきらめましょう。

 曲面は、マークセッターを塗布して貼り付け後放置。乾いたらナイフで切れ込みを入れ、上から再度マークセッターを塗布します。半分以上乾いたら、指で押さえて圧着させます。完全に乾いた後にやっても良いです。

 溝部分も、乾いた後で切れ込みを入れ、再度マークセッターを塗布して放置すると、溝になってくれます。

 ボルト穴など、ディテールが直線でなく、かつ細かいものも、同様の作業をチマチマやっていれば、よく馴染んでくれます。
作業中。
これくらいで良しとしましょう。本来はデカールでなく、塗装すべきです。

 このように乾燥後に修正するという、2段階でやるほうが、デカール破損の可能性が低くなります。一発で、最初に貼った段階で完璧にやろうとすると、指やナイフ、ピンセットにデカールがくっついて取り返しのつかない事態になる可能性が格段に高まります。


 黒立ち上げ塗りの場合、デカールを貼るとすごく目立ちます。デカールの色がキレイすぎるのです。

 昔は雑誌に載っていた方法として、砂消しゴムや400〜600番の紙ヤスリでデカールをしごいてツヤを完全に消してから水に浸してデカールを貼る、ということをやっていましたが、なかなか完全にツヤが消えなかったり、破れたり、やたら時間がかかったりで、何もいいことがありませんでした。
 今では普通にデカールを貼って、乾いた後に、エナメル黒を溶剤でかなり薄めたものを、スーパーファインエアブラシで薄く吹いて周りに溶け込むようにしています。フラットベースを数滴混ぜるとなお良いですが、混ぜすぎると吹いた後で白くなるので、ほんの気もち程度混ぜるだけです。
 吹くのも1回でキメてしまおうとせずに、薄く吹いて乾いたら再度吹く、というようなことを数回かけてやったほうが、まわりによく馴染みます。テカテカのグロスなデカールの場合は、完全にはツヤが消えてはくれませんので、気になる人は事前に砂消しや紙ヤスリでゴシゴシやっておいたほうがいいかもしれません。

 写真のナンバープレート部分はデカール、白ラインはエナメル塗料(フラットホワイト)の筆塗りです。溶剤で薄めたエナメル黒を吹いて明度を落とすところです。
 写真はスケールモデルですが、ガンプラも同様にやっています。
 白いものはすごく目立ちますが、エナメル黒を吹くと、存在感が薄れてきます。やりすぎるとまた逆に変になるので注意。「過ぎたるは及ばざるが如し。」です。適当なところであきらめましょう。

 私の場合、ガンプラはウェザリングをせずにここで完成としています。
 戦車モデルの場合は、ウェザリングは必須です。

ウェザリング


 私は戦車のウェザリングは、タミヤのウェザリングを使うだけです。他のことはしません。面倒くさいし、ウェザリングスティックでのウェザリングだけで満足してしまっているからです。

 80年代は当時のモデラー定番のドライブラシをやり、2010年頃は「新技法」のアルコール落としなどを試してみましたが、自分のイメージどおりにならないとか時間がかかるとかで、結局今ではタミヤのウェザリングスティック一筋です。基本塗装が黒立ち上げ塗りの場合は、そもそも塗装面は単調でなく適度に濃淡が出来ているので、「表面の単調さをなくすためにドライブラシする」ような必要は感じません。戦車なら最低限のウェザリングとして、足回りに土ボコリや雨だれなどを表現するだけでいいと思っています。文字通り、ウェザリングです。

 ウェザリングスティックはクレヨンみたいでそのままでは「う〜ん」という感じですが、水で溶いてやれば細かい隙間にも入ってくれます。ウェザリングスティックは「ウェザリングにゴテゴテした立体感を出す」というコンセプトで発売されたアイテムですが、私は普通のウェザリングアイテムとして使っています。厚塗りすればゴテゴテ感は出ますが、私としてはそこまでゴテゴテ感に必要性を感じてもいないですし。


 使い方は写真のように、硬めの筆に水を付けてウェザリングスティック先端をゴシゴシやり、その筆を戦車の足回りにベチャベチャ塗りたくるのです。本当の雨だれヨゴレっぽく乾いてくれます。ただし水分子まで1/35や1/48というわけにはいかず、1/1の雨だれにしかならないため、筆で調子を整えます。半乾きのときにやると良い場合もあれば、完全に乾いてからやったほうが良い場合もあるので、そこは経験です。水性素材のため失敗しても水で落とせますが、モデルの基本塗装をつや消しにしている場合は、つや消し粒子の間にウェザリング粒子が入ってしまって完全には落ちないので注意が必要です。基本塗装を油性でなく水性塗料のつや消しで行っている場合は、さらに落ちにくいので、さらに注意が必要です。水性塗料の顔料粒子は油性塗料よりも大きい(荒い)からです。

 キャタピラのパターンが複雑で彫りの深いものにやる場合は、注意しないと筆の泥水が広い範囲に飛び散ります。歯ブラシで金網をゴシゴシやっているかのごとく、周りに飛び散ります。新聞紙を大きめに敷き、撥ねて汚れても良い服装でやりましょう。


私があまり使わない技法やアイテム


●スミイレ
 エナメル塗料のフラットブラックをエナメル溶剤で薄めて、模型の凹線に流し込む手法。
 2000年以降の私の戦車の作品では全く使っていません。2011年頃まではガンプラで使っていましたが、その後ガンプラも全て黒立ち上げ塗りに転換したため、使わなくなりました。

 エナメル溶剤はプラスチックを侵すので、部品が割れやすくなります。(プラスチックを侵すのはエナメルに限らず、すべてのシンナーがそうですけど。)戦車の砲塔にごちゃごちゃ接着した部品などが、ポロポロ取れるようになってしまいます。ガンプラは、組み立て後にスミイレをやってしまった場合は、部品をハメ込む部分(テンションがかかっている部分)が必ず割れます。ガンプラにスミイレをする場合は、全部バラしてからやりましょう。そして数日して完全に乾燥してから組み立てましょう。この割れるという特性を利用して私の場合は、間違って接着してしまって部品を剥がしたい場合にエナメル溶剤を良く使っています。

 ちなみに90年代から、タミヤのエナメル溶剤は割れるけれども、画材用のペトロールなら良い、テレピン(ターペンタイン)なら良い、などいろいろ雑誌で言われていましたが、私の経験上、どれも同じです。どれも同じように割れます。無駄な議論だと感じています。

●チッピング
 2000年代に定番となった戦車塗装の方法。
 塗装はがれを筆で根気よく書き込んでいく方法です。やっとことがないため説明はしませんので、興味ある人はググってください。私がやらないのは、非常に根気と時間がかかるからです。面倒くさいのデス。。。

●エッチング(船を除くスケールモデル)
 初心者の人はよく勘違いして、エッチングパーツが標準で付属しているキットの場合、説明書どおり必ず全部使わなければならないと思い込みがちですが、違います。自分の技量・満足度に合わせて、使いたいものだけ使えば良いのです。最近は細かいエッチング部品が花盛りで、雑誌でも、専門のエッチングパーツをふんだんに使ってこそ一人前とするような内容ばかりですが、それは営業用の記事なので、本気にしないようにしてください。エッチングパーツなどのなかった80年代は、細かい部分を作り込むことはモデラーの腕の見せ所であり賞賛されましたが、2000年代では違います。エッチングパーツを使えば細かい部分は誰でも同じように作れるのです。単にお金と時間の問題だけなので、そのモデラーの腕が特別いいというわけではありません。そのモデラーが細部までこだわる人かそうでない人かという、個人の趣味の問題だけです。
 なので、自分が細部までこだわらない場合は、キットに最初から付属しているエッチングパーツでも、使わずに捨ててOKなのです。
 ただし2010年代の中国製品は、エッチングを使わないと完成できない仕様の製品ばかりなので(代替プラ部品がセットされていない)、エッチング嫌いの私にはキツイです。一生懸命エッチング部品と格闘しています。
 例外は、船、軍艦のモデルです。特に1/350の場合は、エッチングを使わないとアッサリしすぎの感があります。

●金属砲身(戦車モデル)
 いまだにコレの存在価値が分かりません。金属砲身ファンの方、申し訳ありません。いつもプラパーツで十分だと思っています。
 塗装する際は、400番とか600番の紙ヤスリをかけて塗料の食いつきを良くしておくのを忘れずに。そのまま塗装すると、ちょっとどこかに当たったり擦ったりするだけで簡単に塗装が剥がれます。金属プライマーを塗っておけばベターですが、それでもちょっとどこかに当たるとあっけなく塗料が剥がれたりします。ヤスリもプライマーも気休めかもしれません。だから私は金属砲身がキライなのです。
 そんなわけで、時にはキットに標準付属のアルミ砲身を捨てて、プラパーツの砲身を装着したりしています。

●モデルカステンの可動履帯(キャタピラ)
 スイマセン、これもいまだに存在価値が分かりません。使ったことがありません。塗装の説明のところで書いたように、私はキャタピラはいつも転輪などに頑丈に接着しているため、「連結式」は嬉しいですが「可動式」には何の価値も見出せないのです。キャタピラを外して車体とは別途に塗装したい人のためのアイテムでしょうか?そんな見えない隅っこは塗り残ってしまってもいいんじゃないかと思うワケですけど。

○ついでにベルト式履帯(キャタピラ)についての所感
@タミヤの旧式のもの:プラスチック性の高い素材で、塗料が乗りませんし、乗っても簡単に剥がれてしまいますが、数十年経っても経年劣化しません。熱したドライバーで焼き止めるよう指示されています。
Aタミヤの接着できるもの:普通の接着剤でくっつくお手軽なもの。タミヤ90年代以降の標準です。塗料の乗りも良いです。ただし完成後、経年劣化で切れます。購入前の店での保管状態も含め、状態によっては組み立てて数年以内でも切れます。私の場合は、これまでに5台くらい切れました。組み立てて何年か後に再び保管箱を見てみたところ切れていた、というパターンです。組み立て後、塗装前の状態でも切れてましたし、塗装後の状態でも切れてましたので、塗装のときにシンナー分に触れたかどうかはあまり関係ないようです。
 ちなみに切れた実績は四号戦車、パンターG、ティーガーU、61式などです。細いものが特に切れやすいということでもありません。
BドラゴンのDS履帯:普通の接着剤でくっつくし、塗装も出来るのでタミヤのと同様に思いますが、少し柔らかめです。色がベージュなので塗装が面倒くさいですが、タミヤのと違って、今までに切れた個体はありません。タミヤのより出来が良いようです。ただし2013年以降登場した三号四号系列のDS履帯は買ったことがないので分かりません。(アメリカ戦車より履帯が細身な感じですね。)
Cイタレリ&ズベズダ:タミヤの旧式のもの同様のプラスチック性の高い素材で、塗料の乗りも悪く、熱したドライバーで焼き止めるタイプです。タミヤのより硬めなので、足回りに馴染みにくく、使いにくいです。1/35のT-34のものは、タミヤと違い、硬いし厚いしで使う気が失せます。
Dアカデミー:タミヤ旧式やイタレリと同様のタイプですが、タミヤとイタレリの中間的な堅さです。アカデミー製品は全般的に少し長めなので、メルカヴァ系もシャーマン系もちょっとだらしない感じに仕上がります。
Eファインモールド:普通の接着剤でくっつくし、塗装も出来るのでタミヤの新しいほうと同様に思いますが、発売している車種が少ないので経年劣化の事例が多くありません。しかし私の97式中戦車で1つ切れそうです。時間の問題という感じになっています。

●水性塗料
 粒子が粗いのと、乾きが非常に遅いのと、塗膜が厚くなるのとで、私は使っていません。唯一、ジオラマの塗装のみに使っています。つや消しが美しいのと、粒子が粗いため、地面のイメージにぴったりだからです。(ただしエアブラシ塗装。)
 家族がシンナー断固NGの人は水性塗料を使わざるを得ないと思います。
 学生時代、90年代にタミヤの水性塗料で塗装したタミヤの零戦32型が、7年後くらいに見たら機体がカビだらけになっていたので処分しました。油性塗料ではいまだに見たことがない現象でした。換気が悪い押し入れの奥などに長期保存していると、カビが生えるようです。そのことも含め、水性塗料は使わないことにしています。

●コンパウンド
 カーモデルには必須です。ミリタリーモデルにはまず使いません。
 自動車のボディをテカテカに光らせるために使うことが多いです。上からクリヤーをスプレーしたのとコンパウンドで磨いたのでは、ツヤの感じが違うからです。上からクリヤーを塗った場合は、ウソっぽいテカりになってしまうのです。
 使用法はチューブから出して布に付け、モデル表面を磨くのです。
 カーモデルのボディは、事前に1000番や2000番くらいの紙ヤスリで仕上げておき、スプレーで塗装しますが、スプレー塗装を何回かやり、塗膜を厚めにしておきます。完全に乾いたら、コンパウンドで塗膜の上からテカテカに磨くのです。塗膜を厚めにしておかないと、特にエッジ部分などが、塗膜が削れて下地が出てしまいます。溝に入り込んだコンパウンドは、爪楊枝などで慎重に取り除きます。
 ボディのテカテカ感にこだわりがない人なら、一生懸命磨かなくてもスプレー塗装のみでOKですし、上からクリヤーで仕上げればOKだと思います。



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