T-34/76 1941年型 国営第378オンダヴァラ・タミヤスキー工場生産型

 2000年代に発売された1/48キットで、112工場の1943年生産型をキット化したようです。残念ながら、完全に正しい仕様ではありません。この仕様での実車は存在しません。私が「1943年型」と断定しているのは、車体機銃に防盾があるからです。
 問題は転輪です。このタイプ、112工場の1942年秋~1943年末生産型で、キットのように1940年型の転輪を装着している例は、実車写真では1枚も確認できません。
 1942年型転輪に改造するのはかなりの難度です。
 転輪はそのままに、1942年秋より前のモデルに改造するには、、、車体後面の大幅な改造と、最大の問題は、キャタピラが全く違うことです。
 何とも救いようのない残念なキットです。

 タミヤはこの1940年型転輪が、すべてのT-34の標準転輪だと誤解しているようです。
 タミヤの問題の根源は、1/35の名トンデモキット、「T-34/76 1942年型」のイメージの呪縛が強すぎることだと思います。モールドは満点ですが、考証は落第点なキットです。あのキットを「基準」に捉えてしまうと、様々なエラーが発生します。
 過去の自社の製品を忘れ、一度頭を真っ白にして、一からキットを設計すべきだと思います。

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